休学してスキーに向き合った一年と、26/27シーズン以降の目標
25/26シーズンが終わりました。
この一年は、自分にとって本当に大きな意味を持つシーズンでした。
大学を休学して、競技に専念する。 その選択をして臨んだシーズンでした。
今までの競技人生の中で、間違いなく一番スキーと向き合った一年だったと思います。
目標は、FISポイントを2桁まで更新すること。 そして、その先に全日本選手権出場を目指すことでした。
結果から言うと、その目標には届きませんでした。
GS・SLともにFISポイント2桁には届かず、全日本選手権出場にも届きませんでした。 休学してまで競技に取り組んだ以上、この結果は正直かなり悔しいです。
ただ、それでも25/26シーズンは、自分の人生にとって間違いなく宝物のような一年でした。
結果だけでは測れないくらい、自分の考え方、生き方、スキーへの向き合い方を大きく変えてくれた一年だったからです。

25/26シーズンの主なリザルト
FISレースでは、以下がシーズンのベストリザルトでした。
SLでは、蔵王ライザスラロームレース DAY1で100.75。 GSでは、第97回宮様スキー大会国際競技会で113.37。
シーズン終了時点でのFISポイントは、GSが124.56、SLが112.68。 国内ランキングでは、GSが229位、SLが218位。 年代別では、GSが23位、SLが21位でした。
目標としていた2桁ポイントには届きませんでした。
一方で、学生大会では一定の結果を残すことができました。
第53回全国学生岩岳スキー大会では、SGで準優勝、SLで優勝。 第46回全国国公立大学スキー選手権大会では、SG・GS・SLの3種目で優勝することができました。
特に岩岳SLで優勝できたことは、自分にとって大きな経験でした。
FISポイント上位の選手に対して、一本目・二本目ともに勝ち切ることができました。 今までFISレースでは上位争いや優勝争いを経験することはできていません。
でも、岩岳で初めて、実際に優勝を争う立場に立つことができました。
そこで、勝ち切ることの難しさを知りました。
一本目で良い位置につけても、二本目で崩さないこと。 優勝が見えている状況で、普段通りの滑りを出すこと。 勝ちたい気持ちと、冷静さを両立すること。
これは、ただ練習で速く滑ることとは全く違いました。
FISレースで本当に上位を目指すためには、技術やフィジカルだけでは足りません。 勝負の場面で、自分の力を出し切る準備力とメンタルが必要です。
岩岳で勝ち切れた経験は、今後FISレースで結果を出すためにも大きな財産になると思っています。

目標には届かなかった
25/26シーズンの目標は、FISポイント2桁更新と全日本選手権出場でした。
この目標に対しては、未達成です。

休学して臨んだシーズンだったからこそ、もっと結果を出したかったです。
自分の中では、最低ラインとして2桁ポイントを考えていました。 そこに届かなかったことは、かなり悔しいです。
ただ、悔しいだけで終わらせるわけにはいきません。
今シーズンを通じて、自分に何が足りないのかはかなり明確になりました。
技術面で感じた成長と課題
技術面では、夏から体幹を重点的に強化したことで、滑りの安定性は上がったと感じています。
外足に加重しながら、雪面を早く捉える動きの精度も、以前より高まりました。
練習の中では、JSCで学んできた技術を少しずつ形にできる感覚もありました。
ただ、それをFISレース本番の硬いバーン、急斜面、高いスピード域の中で十分に発揮することはできませんでした。
練習ではできることが、本番では出ない。 低いスピード域ではできることが、高いスピード域では崩れる。 柔らかいバーンではできることが、硬いバーンでは通用しない。
そこに大きな差がありました。
特に、硬い雪質の急斜面での練習量が足りていなかったと思います。
FISレースでは、学生大会よりもスピード域が高く、バーンも硬く、斜面もシビアです。 その中で、外足に乗り続け、雪面を捉え続ける力が必要になります。
今の自分には、まだその力が足りませんでした。

身体面で感じた課題
身体面では、トップ選手との差をかなり感じました。
自分は身長167cmに対して、体重が65kgほどです。 アルペンスキーで高いスピード域に対応していくには、まだフィジカル面で不足があると感じています。
特に課題として感じているのは、内転筋の弱さです。
内傾角が強くなり、身体の重心から足が離れた場面で、足元を安定させきれないことがあります。 その結果、外足荷重を維持できず、ターンの安定性や強さに差が出てしまいます。
体幹は昨シーズンより強化できました。 でも、体幹だけでは足りません。
内転筋、股関節周り、下半身全体の強さ、体重そのもの。 高いスピードに耐えられる身体が必要です。
FISレースで結果を出すためには、技術だけではなく、身体を変える必要があると強く感じました。

食事と増量の反省
25/26シーズンに向けて、体重を増やしたいと思っていました。
実家の草津温泉でトレーニングを継続することはできました。 でも、体重は思うように伸びませんでした。
これは大きな反省点です。
飯トレは、ただたくさん食べればいいわけではありませんでした。 「食べているつもり」では身体は変わりません。
必要なカロリーとタンパク質を、毎日、計画的に、継続して摂る必要があります。
トレーニングを頑張っていても、食事が足りなければ身体は大きくなりません。 身体が変わらなければ、スキーも変わりきりません。
この一年で、食事も競技力向上の一部だと強く感じました。
26/27シーズンに向けては、1日3,300kcal、タンパク質140gを目安に食事を管理しています。 食事だけで足りない分は、鶏むね肉などを活用した補食も取り入れています。
自分は米をたくさん食べるのが得意ではないので、飲める形でカロリーとタンパク質を摂る工夫もしています。
見た目だけ聞くとかなり変なことをしているように見えるかもしれません。 でも、自分にとって継続できる方法で身体を変えることが大事だと思っています。

資金面の現実
25/26シーズンでは、資金面の難しさも強く感じました。
夏の期間は、JSCのもとでトレーニングをしながら、スキーのための資金を作るために実家でアルバイトもしていました。
ただ、資金繰りがうまくいかず、海外遠征などには行けませんでした。
アルペンスキーは本当にお金がかかる競技です。
用具代、遠征費、宿泊費、エントリー費、交通費、トレーニング費。 本気で取り組もうとすればするほど、お金の問題は避けて通れません。
競技力を高めるためには、練習環境を整えることも必要です。 そのためには、自分でお金のことを考える必要があります。
スキーだけをしていればいいわけではありません。 競技を続けるためには、生活も、資金も、将来の収入も含めて考える必要があります。
この現実を知れたことも、25/26シーズンの大きな学びでした。

休学が自分を変えてくれた
25/26シーズンは、競技面だけでなく、自分自身の生き方にも大きな影響を与えました。
正直に言うと、自分は学業にも集中しきれず、何に本気で向き合いたいのかも曖昧な大学生でした。
やるべきことから逃げてしまうこともありました。 自分が何のために頑張るのか、はっきりしていない時期もありました。
でも、スキーに本気で向き合う中で、少しずつ自律を覚えました。
トレーニングを継続すること。 食事を管理すること。 お金のことを考えること。 練習環境を整えること。 自分の弱さや課題から逃げずに向き合うこと。 人との約束を守ること。 やるべきことをやること。
こういう当たり前のことを、スキーを通じて少しずつ覚えてきた感覚があります。
スキーは、自分にとってただ好きなスポーツではありません。 自分を社会に溶け込ませてくれるものでもありました。
「休学」は、自分を大きく変えてくれました。
競技結果だけを見れば、満足できるシーズンではありません。 でも、自分の人生という視点で見れば、25/26シーズンは本当に大きな意味を持つ一年でした。
やるべきことは多すぎます。
スキーの練習。トレーニング。食事管理。学業。資金面。SNS発信。将来の収入づくり。生活を整えること。
正直、全部やるのは大変です。
でも、そんな毎日が楽しいです。
やりたいことだけをして食っていけるほど、社会は甘くありません。 スキーが好きだからといって、スキーだけしていれば生きていけるわけではありません。
競技を続けるには、お金も必要です。学業も必要です。人との関係も必要です。 社会の中で、自分の役割を作っていく必要があります。
だからこそ、自分はスキーだけではなく、学業も、発信も、収入づくりも、生活も含めて、自分の人生を組み立てていかなければいけないと思っています。
25/26シーズンは、本当に人生における宝物のような一年でした。

26/27シーズンの位置づけ
26/27シーズンは、大学に復学しているため、学業と競技を両立しながら取り組むシーズンになります。
昨シーズンは休学していたため、かなり多くの時間をスキーに使うことができました。 でも、今シーズンはそうはいきません。
授業、課題、大学生活がある中で、競技とどう両立するかが重要になります。
昨シーズンほど、思うように雪上練習量を確保することは難しいと思います。 これは間違いなく制約です。
でも、だからこそ26/27シーズンは、ウエイトトレーニング、体づくり、生活習慣、一回一回の練習の質にこだわるシーズンにしたいです。
雪上練習量で補うシーズンではありません。
限られた練習機会の中で、どれだけ明確な課題意識を持って取り組めるか。 雪上に立てない時間に、どれだけ身体を作れるか。 練習量が少ないからこそ、一本一本の質を高められるか。
そこにこだわります。

26/27シーズンの具体的な取り組み
オフシーズンは、昨シーズンの課題であった内転筋、体幹周り、外足荷重時の安定性を重点的に強化しています。
現在は、ウエイトトレーニングを週4回。部活動でのトレーニングを週2回。JSCのオフトレを週2回。体幹トレーニングを毎日行う形で取り組んでいます。
休養日も週1〜2日設け、継続性を重視して身体づくりを進めています。
食事面では、体重増加と競技に必要な筋量向上を目的に、1日3,300kcal、タンパク質140gを目安に摂取しています。
昨シーズンは体重を十分に伸ばせなかったので、今季はトレーニングだけでなく、食事管理も競技力向上の一部として取り組みます。
雪上については、11月から軽井沢の早朝練習でシーズンインする予定です。 白馬エリアがオープンしてからは、白馬を拠点に練習する予定です。
雪上練習では、特に高いスピード域への対応力を高めることを重視します。
また、雪上練習ができない期間も、つくばでウエイトトレーニングを継続します。 冬の期間もフィジカル強化を止めない方針です。
出場できるFISレースは、昨シーズンより限られる可能性があります。 ただ、その中でレースごとの準備、調整、振り返りの質を高めていきます。
出場数で勝負するのではなく、一戦ごとの完成度を高める。 それが26/27シーズンの戦い方になると思っています。

26/27シーズンの目標
26/27シーズンの目標は、GS・SLともにFISポイントを2桁まで更新することです。 そして、全日本選手権に出場することです。
これは25/26シーズンから変わらない目標です。
SLでは、25/26シーズンに岩岳で勝ち切れた経験をFISレースの結果につなげたいです。 学生大会で勝てても、FISレースで結果が出なければ、自分が目指している場所には届きません。
岩岳で勝った経験を、FISレースの舞台で再現する。 勝負の場面で力を出す。 そのための準備をする。
GSでは、硬いバーンや高いスピード域での外足荷重の安定性を高め、まずは100点切り、その先の2桁更新を目指します。
26/27シーズンは、練習量だけで考えれば不利な部分もあります。 でも、その分、身体づくりと練習の質で勝負します。
目標は変えません。
FISポイント2桁更新。 全日本選手権出場。
長期目標
長期目標は、全日本選手権で優勝することです。
これは簡単に言える目標ではありません。 現実的に考えても、今の自分からはかなり遠いです。
でも、自分はそこを目指したいです。
自分が全日本選手権で勝ちたい理由は、まず一番に、スキーが本当に好きだからです。
好きなものを極めて、一番になりたい。 これは自然な欲求だと思っています。
もう一つは、日本で勝つことの素晴らしさを伝えたいからです。
世界と日本では、アルペンスキーを取り巻く環境が大きく違います。 同じ才能、同じ努力量があったとしても、ワールドカップでの順位は、日本で育った選手と海外の環境で育った選手では大きく変わると思います。
だからこそ、日本の環境の中で強くなること、日本で勝つことにも価値があると思っています。
自分が挑戦する過程を発信することで、アルペンスキーの楽しさを伝えたいです。 そして、日本のアルペンスキー界を少しでも盛り上げたいです。
大学院に進学する予定なので、大学院卒業までは競技に集中できる環境を最大限活用したいと思っています。
一方で、大学院を卒業してからは、自分で生計を立てながらアルペンスキーで日本一を目指していく必要があります。
そのために、競技力だけでなく、学業、発信活動、動画制作、収入づくり、スキーに関わる活動にも取り組んでいきたいです。
最終的には、全日本選手権で優勝し、その過程や経験を通じて、日本のアルペンスキー界の発展に貢献できる存在になりたいと思っています。
最後に
25/26シーズンは、結果としては悔しい一年でした。
FISポイント2桁にも届かなかった。 全日本選手権にも届かなかった。
でも、自分がなぜスキーをするのか、なぜ全日本選手権で勝ちたいのか、何が足りないのか、これから何をするべきなのかを考え続けた一年でした。
休学してスキーに向き合ったことで、自分は大きく変わりました。
学業にも集中しきれなかった自分が、スキーを通じて少しずつ自律を覚え、社会の中で生きていくために必要なことと向き合い始めました。
やるべきことは多いです。 正直、大変です。
でも、そんな毎日が楽しいです。
やりたいことだけで食っていけるほど社会は甘くありません。 だからこそ、スキー、学業、発信、収入づくり、生活を含めて、自分の人生を自分で組み立てていきたいです。
25/26シーズンは、自分の人生における宝物のような一年でした。
26/27シーズンは、その一年で得たものを行動に移すシーズンにします。
FISポイント2桁更新。 全日本選手権出場。 その先に、全日本選手権優勝。
まだ遠いです。 でも、目指します。











