第52回全国学生岩岳スキー大会 岩岳SL
2025/3/11 SL bib48
1st 3位
2nd 1位
total 2位
岩岳GSの悔しさを受け、気持ちを切り替えてSLに向けた調整を始めました。
3月12日は疲労を残さないように、さのさかスキー場で最終調整を行いました。
2本だけポールに入り、外足に乗る感覚を確認することができたので、最後に良い確認ができてよかったです。
GSを終えて思ったのは、「勝負の世界はそんなに甘くない」ということでした。
自分も本気でやってきたつもりでしたが、自分以上に長い時間、本気で取り組んできた人たちがいる――そう思った瞬間、自分の中にあった自信が少し揺らいでしまいました。

努力が結果になるというのは大輔から学んだことですが、だからこそ、自分より努力している人がいるかもしれないという想像が、自信を持つことの妨げになっていました。
それでも、スタート順はbib48。
「1本目で1位と1.5秒差以内につけられれば、2本目は掘れたバーンで戦ってきた自分がまくれる」と思い、集中しました。
1本目のスタート前、自信の有無は考えてもしょうがないと思い、自分の滑りにだけ集中することにしました。
守って爆弾タイムを出せるほど甘い世界ではない、だからこそ“かますしかない”という覚悟がメンタルを整理させてくれました。
スタート前にはリラックスし、スタートバーではしっかり緊張。
「これこれ」と思いながらスタートしました。
滑走中は、落ち込みまでの数ターンはリズムをつかみながら冷静に入りました。
急斜面は振り幅のあるセットでしたが、板にしっかり乗り込み反発を使ってラインを保つことを意識しました。

バランスを崩しかけた場面もありましたが、うまくリカバリーできたと思います。
2回スルーがありましたが、どちらもかなり振っていたので、しっかり対応できました。
ゴール後、コーチやビデオからは「もう少し攻めてもよかった」と言われましたが、結果は堀江選手と1.03秒差の3位。
1.5秒を目標にしていたので、思わず「しゃー!」と声を上げ、「2本目セカンドラップ取る」と叫んでしまったほど嬉しかったです。

2本目に向けては、逆転優勝しか考えていませんでした。
堀江選手に1.03秒差、そして鍋山選手・長谷川選手とも僅差の中で、気は抜けない展開でした。
自信を持ってスタートに立とうと思っていましたが、GSのときと同じように、時間が経つとまた“自信”について考え込んでしまいました。
でも、リフト3本目くらいのとき、考え方を切り替えることができました。「もしかしたら自分より努力している人もいるかもしれない。
でも、“自分が一番岩岳で優勝したい”という気持ちだけは誰にも負けていない。」
そう思ったとき、不思議と心配がなくなり、「攻めきってやる」と前向きに気持ちを切り替えることができました。
2本目は、上部でスピードに乗った感覚はありませんでしたが、急斜面・傾斜面では右外足で内倒しないよう気をつけました。
ヘアピン後のギアアップでは、板の反発が上に逃げそうだったので、肩で抑え込むように意識しました。
そこからは、とにかく全力でゴールへ。ポールを声でなぎ倒しながら滑り切り、タイム計示を見たときは1位でした。
しかし、まだ2人残っていました。次に降りてきたのは京大の富森選手。
滑り終えたあと、少しラグがあって表示されたタイムは……自分を上回って1位。
その瞬間、膝から崩れました。
結果は合計2位。
堀江選手を逆転できたものの、富森選手に届きませんでした。
率直に、悔しかったです。
ただ、この2位という結果に対して、悔しさ4割、嬉しさ6割というのが正直な気持ちでした。
ワンシーズンかけて、ここまで努力してきたことは事実で、その中で“あと一歩”のところまで来られたのは、自分の中では確かな成長でした。

1年前の自分では絶対にできなかった滑りです。
夏のトレーニングの詰め、全国公のメンタルマネジメントの甘さ、そういった一つひとつの積み残しが「1位ではなく2位」という結果になったと思います。
神様を信じてはいませんが、それでも「セカンドラップを取る」ではなく、「優勝する」と言えていればよかった、そんなことを思いました。
このレースを通して、自分の甘さを再認識しました。
もっと詰めることはある。
もっと努力できる。
1年後、絶対にまたここに戻ってくると決めました。












