第1回ヤマザキビスケットカップ 鹿沢スノーエリアENL
FIS SL(日本FIS初の三本レース)レースレポート
2025年12月11日・12日
大会概要
大会正式名称:第1回ヤマザキビスケットカップ 鹿沢スノーエリアENL SL大会
開催日程:2025年12月11日(第一戦)、12月12日(第二戦)
種目:SL(日本FIS初の三本レース)
シーズンインから初戦まで
今シーズンは、夏のオフトレから一貫して「実力を底上げすること」をテーマに準備を進めてきました。
シーズンイン後は軽井沢プリンスでの早朝練習に週5回のペースで通い、鹿沢スノーエリアがオープンしてからは、FIS本番と全く同じバーンでナイターのSLゲート練習を継続してきました。
フリーの滑りに関しては、軽井沢プリンスで明確な手応えを感じており、夏のオフトレの成果が十分に表れている感覚がありました。
一方で、鹿沢でポールに入ると、GSではフリーに近い感覚で滑れているのに対し、SLではどこか噛み合わない違和感が残っていました。
それでも、夏から準備してきたという事実と、本番と同条件で練習を重ねてきたことで自信を持った状態で、今シーズンのFIS初戦を迎えました。

第一戦(2025/12/11)
bib:47
1st:49位/2nd:48位/3rd:57位
total:47位
FISポイント:132.47(更新)
一本目
第一戦の目標は明確でした。
一本目で30位以内に入り、二本目以降を良いバーンで攻め切ることです。
しかし、スタートしてから数ターンで重心が低くなり、切り替えが遅れたことで、タイミングを大きく外してしまいました。
気持ちが高ぶっていたこともあり、その場で修正する冷静さを欠いたままゴールまで滑ってしまったのが正直なところです。
序盤でタイミングを外したものの、緩斜面へのつなぎ自体は大きく崩れた感覚はなく、ゴールテープを切った瞬間にはそれなりの期待もありました。
しかし結果は49位。
いわゆるゼッケンバックで、強い悔しさが残りました。
この一本目を通して、「上から下まで揃えないとFISでは勝てない」という当たり前の事実を、身をもって実感しました。

二本目
一本目の映像を確認し、二本目では
・スタート直後のタイミングを合わせること
・腰高のポジションを保つこと
を明確なテーマとしてスタートしました。
中斜面のスルー後や、緩斜面ストレート後に大きな振り幅が設定されていたため、板にしっかり乗り込み、タイミングが遅れないことを意識していました。晴れの天候の影響で一部が割れ、スタート前にはコース修復の時間も入りましたが、無線でポイントを確認し、できるだけ冷静さを保ってスタートバーを切りました。
スルー後までは比較的落ち着いて対処できましたが、うまくいったことで慢心してしまい、終盤の大きな振り幅でタイミングを外し、強いエッジングによる減速を招いてしまいました。
最後まで冷静さを保ち切ることができませんでした。
結果は48位で、再び30位以内に届きませんでした。
映像を見返すと、スタート直後の漕ぎ自体も弱く、根本的な課題を突きつけられる内容でした。
三本目
気づけば、あっという間に三本目を迎えていました。
一本目・二本目の反省を踏まえ、
・スタートからゴールまで冷静さを保つこと
・腰高のポジションをキープすること
・内旋・外旋を丁寧に行うこと
この三点を意識してスタートしました。
セットは中腹のストレートに入るまで振り幅があり、注意が必要な構成でした。
しかし、スタート直後の数ターンで再びタイミングを掴めず、板が宙に浮く感覚のまま滑ってしまい、焦りを感じながら中盤まで進んでしまいました。
結果は57位となり、三本の中で最も順位を落とす形となりました。
合計47位で第一戦を終え、FISポイントは132.47と一応更新できましたが、内容としては悔しさが大きく残る一日でした。
夏から準備してきた実力を、レースという場で十分に発揮できていない。
それが第一戦を終えた時点での率直な実感でした。
第二戦(2025/12/12)
bib:49
1st:60位/2nd:66位/3rd:55位
total:61位
FISポイント:123.91(更新)
第一戦を振り返り、内手の位置、外旋、立ち上がりの前方向への動き、スタート直後の漕ぎなど、複数の明確な課題を洗い出しました。
この日は気温が下がる予報だったため、朝の走り込みで身体をしっかり温め、前日よりもフリーの本数を増やして準備を行いました。
特に三本レースでは一本目の順位が大きく影響することを第一戦で痛感していたため、「一本目で最高の滑りを出す」ことを強く意識して臨みました。
一本目
一本目のセットは比較的オーソドックスで、攻め切ることが求められる内容でした。
30位以内を目標にスタートしましたが、前日同様、スタート直後の数ターンでうまく噛み合わず、60位という結果に終わりました。
ストレート以降はかなり攻めることができ、滑りの感覚自体は決して悪くありませんでした。
ただ、前日よりも順位を落とす結果となり、FISレースの厳しさと周りの選手の対応力のすごさを感じました。
それでもタイム差は詰まっており、条件面を含め、二本目での挽回を諦める状況ではありませんでした。
二本目
一本目終了後、自分より速い選手に何を意識しているかを聞いたところ、「切り替えのタイミングを早くする」という話を聞きました。
自分の中にはあまりなかった視点だったため、二本目ではそこに意識を置くことにしました。
二本目のセットは直線的で、切り替えを早めに終わらせ、板を下に向ける時間を長く取れるかが鍵となる構成でした。しかし、結果的にはスタート直後でラインを巻きすぎてしまい、タイムを出せず66位となりました。
何をどう修正すればよいのか分からなくなる感覚に陥っていました。
三本目
三本目は中腹のストレートまで振り幅とインターバルのあるセットでした。
板にしっかり乗り込んだうえで、大きく動くことが求められました。
スタート直後はやはり噛み合いませんでしたが、ストレートとその後の数ターンでは頭を冷やし、比較的うまく対処できた部分もありました。
結果は55位となり、合計61位で第二戦を終えました。
FISポイントは123.91と、この2日間を通して更新することができました。
ただし、自分が目標としているのはFISポイント二桁、そしてその先の全日本選手権出場であり、現状はまだその入口に立った段階に過ぎません。

今回の2レースを通して
今回の2レースを通して最も強く感じたのは、
「本番を想定した練習をしてきたとしても、本番で実力を出し切るための実力がまだ足りない」
という事実でした。
技術面だけでなく、スタート直後のタイミングの作り方、一本の中で冷静さを保ち続ける力。
そうした要素すべてを、練習段階から底上げしていく必要があります。
この後は年末まで北海道(ぬかびら・阿寒)、年明けからは白馬でのトレーニングを予定しています。
1月22日から始まるFIS連戦に向けて、今回見えた課題と正面から向き合い、積み重ねていきたいと思います。











