競技スキーをするには特殊な板が必要って聞くけど、普通の板とどう違うの?
競技板にはどんな種類があるの?
競技スキーを始めてみたいけど用具が多すぎて、何を買えばよいかわからない!
以上のような、お悩みを解決します
本記事の内容
- SL板とは?
- SL板の種類や値段は?
- あなたに最適なSL板
- SL板の購入方法
- SL板の注意点
SL板(スラローム板)とは?
まずはスキー用具の主役、スキー板についての解説です!
スキー板は雪上を滑走する為に足元に履く細長い板の事です。
世の中には用途に応じて様々な種類のスキー板がありますよね。
- オールラウンドスキー
- デモスキー
- レーシングスキー
- フリーライドスキー
- ハーフパイプ
- モーグル
アルペンスキー(競技スキー)にはこの中の
レーシングスキー
というものを使用します。
レーシングスキーは速く滑ることを目的に作られており、物によっては初心者には扱いづらい板も存在します。
また大きく分け、アルペンレースには
- 回転 (スラローム/SL)
- 大回転 (ジャイアントスラローム/GS)
- スーパー大回転 (スーパージャイアントスラローム/SG)
- 滑降 (ダウンヒル/DH)
の4つの競技種目が存在します。
旗門で構成されたコースを滑り降り、タイムを競うアルペンスキーですが種目によって旗門間隔が異なるので、
使用する板も基本的に種目によって異なります。
日本では主に旗門間隔が狭い技術系種目
回転(SL)と大回転(GS)
の大会が開催され、練習も主にこの二つの種目を行う事が多いです。
※SG/DHは高速系種目
SL板とは競技用の小回り板のこと
最も旗門間隔が狭い、
回転(SL)種目
で使用するのがSL板です
- SL板
- スラ板
- スラローム板
- 短い方の板
SLは基礎スキーでは小回りという種目が似ていますね。
ターン間隔が狭く、忙しい種目です。
SL板はこの場面で使う
SL板は競技用の板の中では一番短くて扱いやすい板なので、使う機会が多いです。
アルペンスキーの練習は主に
・ポールを用いないフリースキー
・ポールセットの中を滑るポール練習
に分けられます。
いきなり規制されたポールの中を滑る事は難しく、技術も向上しにくい事から雪が少ないシーズンインの時期はフリースキーから練習に入ることが多いです。
また、練習環境にもよりますがシーズンアウトもフリースキーを重点的に練習する人も居ます。
- シーズンインのフリースキー (基礎練)
- SLのポール練習
- SLの大会
- シーズンアウトのフリースキー (基礎練)
板の扱いやすさから、基本的にこのSL板でシーズンインします。
SL板を売っているメーカーはここ
SL板は様々なスキーメーカーが販売しています。
メーカーによってデザイン、スキーの特性、ブーツとの相性などが異なります。
レーシングチームに所属している場合、そのチームが契約しているメーカーがある場合もあります。
その場合通常より少し安い値段でそのメーカーの用具を手に入れる事が出来る事もあります。
- Völkl (フォルクル) / MDV
- FISCHER (フィッシャー)
- ATOMIC (アトミック)
- HEAD (ヘッド)
- SALOMON (サロモン)
- ROSSIGNOL (ロシニョール)
- DYNASTER (ディナスター)
- NORDICA (ノルディカ)
- BLIZZARD (ブリザード)
- elan (エラン)
- STÖCKLI (ストックリ)
- OGASAKA (オガサカ)
- AUGMENT (オーグメント)
板によって教わる技術の再現度も違ってきますので、レーシングチームに入る場合はそのレーシングチームが勧めるメーカーの板を購入する事が無難ですね。
SL板にはどんな種類があるの?
同じSLの競技で使用する板と言えど、実はSL板には様々な選択肢があります。
基本的に板は毎年ニューモデルが発売されるので、同じメーカーでも新モデルか旧モデルかによっても微妙に性能が異なったりします。
性別、年齢、技術力、出場する大会などに応じて、その人に最適なSL板は異なってます。
- FISモデル
- セカンドモデル
- フリーモデル
一つ一つ順番に見ていきましょう!
①:FISモデル
FISモデルは別名規定板とも言います。
この分類の中では一番ハイレベルな板となります。
SAJやFISレースなどの公認大会に参加する場合は、こちらの板がほぼ必須となってきます。
僕はスキー1年目から
このFIS板を使っていました!
- インターハイやその地区予選 (高校生)
- インターカレッジ (大学生)
- SAJ B級/A級レース
- FISレース
公認大会に出場する場合は、FISルール適用のSL板を選びましょう。
※セカンドモデルでも板によっては規定内の場合があります
※中学生と高1早生まれは規定が複雑なので、ここでは紹介していません
SL板の規定 (高校生以上 男子)
- スキー長 165 cm 以上
- スキー高 (スキー板+プレート+ビンディング) 50 mm以下
SL板の規定 (高校生以上 女子)
- スキー長 155 cm 以上
- スキー高 (スキー板+プレート+ビンディング) 50 mm以下
ゴチャゴチャ規定を並べていますが、自分で判断するのが怖い場合高校生以上であれば
男子/女子の公認大会に出れるSL板とスキーショップの店員さんに聞く事で
・男子は165 cmのSL板
・女子は155 cmのSL板
が紹介されると思います。
メーカーに所属しているトップ選手の中には、FISモデルの中でも
選手用
といった更に一段レベルが高い板を使用している人も居ます。
※選手用モデルが市販されているメーカーも
更に上位のトップ選手の場合、選手用モデルの中でも
その選手専用に作られ、カスタマイズされた
という最高級の板が存在します。
②:セカンドモデル
セカンドモデルは公認大会に出場しない場合に便利です。
FISモデルより性能は落ちますが、初心者にも使いやすいという利点を持つのが競技用のセカンドモデル板です。
値段としてもFISモデルよりは安いです!
- 大人になってから競技を始めた社会人スキーヤー
- 出場大会が岩岳、東医体/西医体などの大学生スキーヤー
- 公認大会に出場するが、1年目は扱いやすい板で練習したい高校生スキーヤー
スキー1年目は板の取り扱い方がわからず、傷つけてしまう事も多いので1年目は安めのセカンドモデルを購入する選択もアリだと思います。
公認大会の予選会などはセカンドモデルでも出場は可能な都道府県もあります。
※上位大会には推薦されない
後輩の中には最初はセカンドモデルから練習していた人も居ました!
③:カテゴリーフリー
カテゴリーフリーなモデルは①にも②にも当てはまらない板です。
基礎スキー用のデモ板などがここに当てはまります。
アルペンスキー(競技スキー)のみを行う予定の人は特に理由がない限り購入する必要はないです。
しかし、基礎スキー選手がSLを体験してみたい場合はそのままデモ板を使用する事が出来ます。
SL板の値段
- FISモデル 15~20万円
- セカンドモデル 12~17万円
- フリーモデル 12~17万円
※値段は全てビンディング込み
SL板はどんな人に必要?
競技をやるならSL板は必須
競技スキーを始めるにあたって板がないと始まりませんよね。
まず一台目に購入するべきがこのSL板です。
大回転(GS)の板も余裕があれば購入した方が良いですが、初心者はSL板でGSのポール内を滑走する事も練習になるのでGS板は初期用具としては必須ではないと考えています。
※公認大会に出場する場合を除く
従って、競技スキーを始める場合はまずSL板を手に入れましょう!
SL板選択の基準!私に必要なSL板はこれ
SL板を選択するにあたって考慮すべき項目はこのようなものがありました。
- メーカー
- レベル帯 (FIS/セカンド/フリー)
- モデル (新/旧)
FISモデルのSL板は
・公認大会に出場する人
・中級者以上
・長期間その板を使用する予定の人
にオススメです!
2ndモデルのSL板は
・公認大会に出場しない人
・初心者
・上達したらFISモデルを購入したい人
にオススメです!
高校生以上の場合技術レベルによらずスキーの長さは
・男子は165 cm
・女子は155 cm
が良いですね。
僕は最初からFISモデルのSL板を使っていました!
オススメ商品
SL板はどこで買えるの?
①:オンライン通販
オンライン通販として日本最大規模を誇るのが
スキー用品通販店「タナベスポーツ」です!
用具が決まっている場合は、通販で購入するのが一番楽ですね!
僕も通販が一番楽なので、スキー用品は基本的にここから購入します!
タナベスポーツは楽天市場にも出品していますが、
公式サイトが最速で最安値
になるよう工夫しているようなので、公式サイトで購入する方がお得ですね!
タナベスポーツで取り扱っていない商品を購入したい場合にのみ、楽天市場の他のお店から購入する事をオススメします!
②:店舗販売 (早期予約会)
レーサーの大学生がオフシーズンのアルバイト先によく選びがちなのが、スキー専門店(スキーショップ)です。
- 石井スポーツ
- カンダハー (KANDAHAR)
- FUSO SPORTS
スキー業界では早期予約会というイベントが毎年6~7月に行われています。
このイベントは各専門店が、次のシーズンに販売するモデル (ニューモデル)の事前予約を受け付けるというものです。
- 例:カスタムフェア (石井スポーツ)
-
毎年会場を貸し切って、大規模なスキー展示会が開催されます。
日本各地で行われますが、基本的に各都市で一回の週末にのみ開催されます。
SL板を持つ上での注意点は?
新モデルは直ぐに手に入らない
早期予約会などで新モデルを購入した場合、直ぐに手元には来ません!
あくまで予約会なので、実際に納品されるのはその年の10月~12月になります。
従って、早めの11月にシーズンインしようとした時にまだ板がない!
なんて状態にならないように気を付けてくださいね。
※ お店によっては事情を説明したら早めに納品してくれる所もあり
雪が少ない時期は新品は使わないほうが良い
11月や5月のGWなどハイシーズンではない時に新品の板を使う事はオススメしません。
この時期には積雪が不足しており、ブッシュや石がコース上に転がっている事が多くこれらを踏んでしまうと板が削れてしまいます。
アルペンスキーにおいて板のこのような傷は致命的になります。
※傷は減速要素に
滑走面の傷ならお店にチューンアップに出す事で何とかなる場合もありますがエッジにまで及んでしまうと、もう修復のしようがありません。
どうしても新品の板で滑りたい場合は、細心の注意を持って滑りましょう。
因みに僕は2022年5月のフリースキーの練習中に見事エッジで石を踏み一台スキー板を壊しました。
まあ 新モデル買う予定だったし。。うん。
買い替え頻度
上記のように板を壊した場合を除いたら、SL板はどの頻度で買い替える必要があるのでしょう?
新しいスキー板は
フレックス(たわみ)やトーション(ねじれ)がしっかりと存在する事から板に力を加えると、板が返ってくるバネ(トランポリン)のような感覚があります。
スキー板を使う事でこのバネが徐々に弱くなってきます。
大体100日の滑走で買い替えるべきとの意見が一般的だと思いますが、その人の加重方法や体重にも依存するので一概には言えません
ワンシーズンの滑走が多ければ多いほど買い替え頻度も多くなってきます。
当たり前のことですが、金銭的には大変ですよね。
僕は毎年GS板かSL板のどちらかを買い替える事が多いです!
保管方法
周りの人を見ていれば大体の扱い方はわかりますが、やはりスキー1年目などは用具を傷つけやすいです。
スキー板やブーツはタイムに直結する用具なので
出来るだけ丁寧に扱いたいところです。
- シーズン中の注意点
-
- 運ぶときは常にスキーバンドを付ける (板の上部はマスト、出来れば下部も)
- 車以外の手段で板を運搬する際はスキーケースに板を入れる
- ワクシングを行う場合は、滑走面を焦がさないよう注意する
- オフシーズン中の注意点
-
- 来シーズンもその板を使う場合は、板をお店にチューンアップに出す
まとめ:SL板を購入してアルペンスキーを始めよう!
いかがだったでしょうか?
最後に、内容をおさらいしていきましょう。
- SL板とは競技用の小回り板のこと
- SL板にはFISモデル、セカンドモデル、カテゴリーフリーモデルなどがある
- 公認大会に参加する人はFISモデルのSL板を選ぶべき
- 雪が少ない時期は新品の板は使わないほうが良い
是非、競技板の中でも一番オーソドックスなSL板を購入してアルペンスキーを始めましょう!
コメント
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セカンドモデルってそういう定義なのか〜!