競技をするには特殊なストックが必要って聞くけど、普通のスキーストックとどう違うの?
ストックにはどんな種類があるの?
競技スキーを始めてみたいけど用具が多すぎて何を買えばよいかわからない!
以上のような、お悩みを解決します
本記事の内容
- スキーストックとは?
- ストックの種類や値段は?
- あなたに最適なストック
- ストックの購入方法
- ストックの注意点
スキーストックとは?
滑走中にストックを持っているだけで安心感がありますよね!
最初に西洋から日本にスキーが伝わった際には1本のストックを用いていましたが、現代ではそれぞれの手に1つずつストックを持ち、2本のストックを持って滑るスタイルが主流になっています。
ストックを握るグリップという箇所にヒモ(ストラップ)が付いており、そのヒモに手首を通した上でグリップを握る方法が主流です。
スキーストックですが、以下のように大きく分類されます。
- バックカントリー用ストック
- フリースタイル用ストック
- 基礎・デモ用ストック
- レーシング用(競技用)ストック
バックカントリーモデルは登山に適しており、
フリースタイルモデルはパークやモーグルなどで活躍します。
一方で基本的にゲレンデスキーにおいて馴染み深いのは
基礎・デモ用ストックとレーシング用ストックですね!
基礎・デモ用のスキーストックは最もメジャーであり、握りやすさや振りやすさなどのバランスが良く、中には滑る場面に応じて長さを調節できるモデルも存在する事からオールラウンドに用いる事が出来ます。
一般的なレジャースキーヤーは間違いなくこのモデルを購入するべきです。
レーシング用のストックとは競技に適したスキーストックの事
レーシング用のスキーストックはスピードを追及する為に製造されており、丈夫な素材で作られています。
高品質ですが、値段が高めなのも特徴の一つです。
長さを調節させる事は出来ないので、一つ一つの種目に応じて最適な形状や機能を持つストックを用います。
普通のゲレンデスキーにおいてもストックには様々な用途があります。
- ターンのきっかけのタイミングを取る為
- 平地や登り斜面において前に進む為
- バランスを維持する為
それに加え、競技スキーにおいてストックは更に重要な役割を果たします。
- スタートバーを勢い良く切り、初速度をつける為 (ジャンピングスタート)
- スタート後に漕ぐ事でスピードを速める為 (スケーティング)
- SLの場合:パンチガードを用いてポールにアタックする為
スキーの板は滑走スピードが無いと上手く仕事をしてくれませんが、規制されたコースの中を滑る必要がある競技スキーにおいて自分の力(内力)でスピードを稼ぐ事が出来る
スタート時の動きは非常に大事になってきます。
ワールドカップやオリンピックなどでよくトップ選手がスタート時に勢い良く反動を使ってジャンプしながらスタートバーを切っている姿が見られますよね。
このようなスタート手法の事をジャンピングスタートと言い、初速度を付けるにあたって非常に効果的です。
また、見た目もカッコ良いのでカッコつけたいジュニア選手なども良く見よう見まねで練習していますね笑。
このジャンピングスタートで初速度を付けたのち、更にスピードをつける為に手足を用いて最初の数旗門で必死に漕ぎます(スケーティング)。
ジャンピングスタートの際には一瞬全体重がストックにかかったり、スケーティングの際にも漕ぐリズムをストックで取ったりと競技スキーではストックの使い方が非常に重要になってきます。
競技スキーを行う場合、レーシング用ストックを使用する事を強く推奨します。
GS競技で使用するストックは基礎用のストックでも使用する事は出来ますが、SL競技で使用するストックはパンチガードという付属品を付ける必要があるのでレーシング用が必須となります。
ストックはこの場面で使う
- 回転 (スラローム/SL)
- 大回転 (ジャイアントスラローム/GS)
- スーパー大回転 (スーパージャイアントスラローム/SG)
- 滑降 (ダウンヒル/DH)
アルペンスキーの練習は主に
・ポールを用いないフリースキー
・ポールセットの中を滑るポール練習
に分けられます。
いきなり規制されたポールの中を滑る事は難しく、技術も向上しにくい事から雪が少ないシーズンインの時期はフリースキーから練習に入ることが多いです。
また、練習環境にもよりますがシーズンアウトもフリースキーを重点的に練習する人も居ます。
フリースキーの際に基礎練習としてストックを用いずに滑る事や、ショートポールで立てられたコースをストック無しで滑る練習などは例外としてありますが、
基本的に全ての場面でストックを持って滑走します。
- フリースキー練習
- ポール練習
- 大会
※ 雪上にいる間ほぼ全て
また、詳しくは下の項目で解説していますがSL種目の練習や大会の際はSLストック、GS種目の練習や大会の際はGSストックを使用します。
- スラスト(スラローム ストック)
- ジースト(ジーエス ストック)
ストックを売っているメーカーはここ
ストックは様々なスキーメーカーが販売しています。
メーカーによってデザイン、重さ、機能の特性などが異なります。
レーシングチームに所属している場合、そのチームが契約しているメーカーがある場合もあります。
その場合通常より少し安い値段でそのメーカーの用具を手に入れる事が出来る事もあります。
- SINANO (シナノ)
- Swix (スウィックス)
- LEKI (レキ)
- KOMPERDELL (コンパーデル)
- GABEL (ガベル)
- KIZAKI (キザキ)
また、板を主な商品として販売しているメーカーの中にもストックを販売している場合があります。
- Völkl (フォルクル) / MDV
- ATOMIC (アトミック)
- SALOMON (サロモン)
- ROSSIGNOL (ロシニョール)
- NORDICA (ノルディカ)
- OGASAKA (オガサカ)
板やブーツと同じメーカーのストックを使用し、統一感を出すのも良いですね!
レーシングストックにはどんな種類があるの?
同じレーシングストックの中でも、素材や使用競技が異なるモデルを各メーカーは販売しています。
①:素材の違い (アルミ/カーボン)
レーシング用ストックの材質はカーボンとアルミニウムがあり、それぞれに特徴があります。
アルミニウム製のストックは比較的安価で購入する事が出来るというメリットがありますが重い事から、振りにくくて漕ぎにくいというデメリットもあります。
忙しい競技中にはちょっとした重さが影響してしまう場合もあります。
最初はアルミニウム製のストックを使っていました!
カーボン製のストックは軽くて強度があるというメリットがありますが、高価であるというデメリットもあります。
B級レースやFISレースなどレベルが高い上級者が出場する公認大会では基本的にはカーボン製のストックを使用している選手が殆どです。
しかし、カーボンストックは稀に割れてしまうという特徴があるので、あえてアルミストックを使用する選手も居ます。
カーボン製のストックを使った際は、とても薄くて軽いのが印象的でした!
ストックの材質 | アルミニウム製 | カーボン製 |
---|---|---|
メリット | 安い | 軽く、操作しやすい 曲がりにくい |
デメリット | 重く、操作し辛い 曲がりやすい | 高い |
②:SLストック
レーシング用ストックには材質だけでなく、使用競技(SL/GS/SG)における分類もあります。
SL競技の際には
ストレートストックにパンチガードを付けた
ストックを使用します。
パンチガードが元々付けられた状態で販売されているストックもありますが、別売りでパンチガードのみを購入し、装着する事も出来ます。
基本的にはストックと同じメーカーのパンチガードを使いますが、中にはストックとパンチガードで異なるメーカーの物を使用する人も居ます。
※相性が悪く、すぐ接触部分のネジが緩んだりする場合も
また、このパンチガードはポールの際を通り、ポールと接触する前提のアイテムですので、初心者の方でまだポールには当たらない場合はパンチガードは必需品ではありません。
僕は最初からパンチガードが予め付いているストックを購入し、SL競技で使用していました!
③:GSストック
GS競技の際には好みに応じて
GS専用の曲がった(湾曲した)ストックと
SLと同様にストレートストックを使用する選手に分けられます。
GS専用の曲がったストックにはレース中にクローチング(クラウチング)姿勢を取る際に、ストックが曲がっている事から身体にフィットしやすいというメリットがあります。
しかし、SLでも用いるストレートストック程漕ぎやすくなく、初速度が付きにくいというデメリットがあります。
ストレートストックもGS競技で使用される割合が増えてきました。
最近のトレンドとして、公認大会に出場するハイレベルな選手は
GSにおいてカーボンのストレートストックを用いている割合が増えてきたように思えます。
また、形状に寄らずGSで用いるストックは、SLで用いるストックより若干長めのものを購入し、使用する事が一般的です。
※スタートダッシュで漕ぐ期間がSLより長い為
GSストック | 曲がったストック | ストレートストック |
---|---|---|
メリット | クローチングの際に 身体にフィットする | 漕ぎやすく、 加速しやすい |
デメリット | 漕ぎにくく、 加速しにくい | クローチングの際に 少し不便 |
僕は初心者の頃GSストックとして曲がったストックを購入し、使用していました!
またSG競技を行う場合には、クローチング姿勢を組む時間がかなり長い為
・GSの曲がったストック
・SG専用の更に湾曲が強いストック
のどちらかを用いる事が一般的です。
ストックの値段
- アルミストック 1~3万円
- アルミストック+パンチガード 2~4万円
- カーボンストック 2~4万円
- カーボンストック+パンチガード 3~4.5万円
- ジュニア用 (アルミ) 0.7~1.5万円
※レーシング用ストックの場合
※ストレート/湾曲はほぼ同じ値段
ストックはどんな人に必要?
競技をやるならストックは必須
競技スキーを始めるにあたってストックがないと始まりませんよね。
最初に購入するべき用具の一つがストックです。
初心者が一本目に購入するべきはアルミのストレートストックだと思います。
最初(一年目)はSL競技にてポールに当たれないと思うので、
SLとGS兼用として同一のストックを使用できるからです。
ストック選択の基準!私に必要なストックはこれ
レーシング用ストックを選択するにあたって考慮すべき項目はこのようなものがありました。
- メーカー
- 素材 (アルミ/カーボン)
- 使用競技 (SL/GS)
- 形状 (ストレート/湾曲している)
最初のストックとしてアルミのストレートストックを購入し、SL競技とGS競技として使用する事をオススメしました。
その後上達し、パンチガード付きのSLストックが欲しくなった場合は
・元々用いてたストックにパンチガードを付けてSLストックに
・元々用いてたストックをGSストックとし、パンチガード付きSLストックを別途購入する
などの手法が取れます。
このような手順が面倒な場合は最初から
・SL用のパンチガード付きのストック
・GS用のストック
を別々に購入しちゃう手も勿論あります!
ストックの形状 | 曲がったストック | ストレートストック |
---|---|---|
SL競技 | × | 〇 中級者以上はパンチガードを付ける必要有り |
GS競技 | 〇 身体に収まりやすい | 〇 漕ぎやすい |
更に上達し、コンマ1秒でもタイムを縮める為に良いストックが必要だと強く思うようになった場合に、新しくカーボンストックを購入する事をオススメします。
SL競技の際は先シーズンまで
アルミのストレートストック(123 cm:キザキ)を使用していました!
※カーボンのストレートストック/パンチガード(120 cm:シナノ)を購入予定
GS競技の際は漕ぎやすさを重視して
カーボンのストレートストック(125 cm:シナノ)を使用しています!
ストックの長さについて
アルペンスキーで用いるレーシング用ストックは
身長×0.68が大体標準的なストックの長さとなります。
SLストックでは標準的な長さ、
GSストックとしては標準より2~5 cm程長い
ストックを使用する事が一般的です。
ストックの長さ | ストックの長さ (目安) | 身長175 cmの 人の場合 |
---|---|---|
SL競技 | 標準 (身長×0.68) | 119 cm |
GS競技 | 少し長い (標準 +3~4 cm) | 122~123 cm |
技術力や滑り方のスタイルに応じても最適なストックの長さは変わってきますが大体の目安としてこの表の長さを参考にして頂けたらと思います!
SL:123 cm
GS:125 cm
を使っていますが、SLが若干長すぎるように感じるので120cmのSLストックを購入予定です!
また、ストックの先端の形状が異なる事から、若干メーカーによってストックの長さが違うと主張する人(感じる人)も見受けます。
※重量感の差による錯覚かもしれません
オススメ商品
ストックはどこで買えるの?
①:オンライン通販
オンライン通販として日本最大規模を誇るのが
スキー用品通販店「タナベスポーツ」です!
用具が決まっている場合は、通販で購入するのが一番楽ですね!
僕も通販が一番楽なので、スキー用品は基本的にここから購入します!
タナベスポーツは楽天市場にも出品していますが、
公式サイトが最速で最安値
になるよう工夫しているようなので、公式サイトで購入する方がお得ですね!
タナベスポーツで取り扱っていない商品を購入したい場合にのみ、楽天市場の他のお店から購入する事をオススメします!
②:店舗販売 (早期予約会)
レーサーの大学生がオフシーズンのアルバイト先によく選びがちなのが、スキー専門店(スキーショップ)です。
- 石井スポーツ
- カンダハー (KANDAHAR)
- FUSO SPORTS
スキー業界では早期予約会というイベントが毎年6~7月に行われています。
このイベントは各専門店が、次のシーズンに販売するモデル (ニューモデル)の事前予約を受け付けるというものです。
- 例:カスタムフェア (石井スポーツ)
-
毎年会場を貸し切って、大規模なスキー展示会が開催されます。
日本各地で行われますが、基本的に各都市で一回の週末にのみ開催されます。
ストックを持つ上での注意点は?
新モデルは直ぐに手に入らない
早期予約会などで新モデルを購入した場合、直ぐに手元には来ません!
あくまで予約会なので、実際に納品されるのはその年の10月~12月になります。
従って、早めの11月にシーズンインしようとした時にまだストックがない!
なんて状態にならないように気を付けてくださいね。
※ お店によっては事情を説明したら早めに納品してくれる所もあり
ストックの持ち運びは要注意
滑走時には非常に役立つアシスト用具として存在するストックですが、持ち運びの際など、ふとした時に危険な刃物に代わります。
スキーストックの先端は非常に尖っており、間違って他人の目に当たってしまうと最悪失明させてしまいます。
後ろに小さい子供がいた場合などを考えると恐ろしいですね。
競技スキーの練習の場合、午前と午後で種目が異なる(板も異なる)事で、板二台+ストック二本を同時に持つ事は少なくありません。
普段は大丈夫でも重くてサイズも大きい荷物を持つ際は、注意力散漫になる場合がありますので細心の注意を払いましょう。
林間を滑る際はヒモに手を通さない
スキー場によっては自己責任エリアとして林の中を滑れる所がありますよね!
※板が傷つく可能性が高いので、サブ板で滑走する事を推奨します
レーシングチームの昼休憩中や練習後にうずうずして、林の中を滑っている人もいると思います。
このような場所を滑る場合、ストックのヒモ(ストラップ)に手首を入れて滑る事は得策ではありません。
その理由として木の枝などにストックが引っかかった際、ヒモに手を通していなければストックだけで済みますが、ヒモに手を通していた場合腕ごと持っていかれ最悪腕を折ってしまう可能性があるからです。
従って、林の中などの場所を滑る場合は
ヒモに手首を入れずにグリップだけを握る事が無難ですね。
買い替え頻度
板などは買い替え頻度/時期が割とわかりやすいですが、ストックに関しては中々買い替えの判断が難しいですよね。
10年以上同じストックを使っている人から毎年新しいストックを購入する人も見かけます。
ジュニアの選手などは身長の増加と共に、使うストックの長さが変わってくる事から高めの頻度で交換しているイメージです。
僕個人の意見としては、
ストックが折れたり、亀裂が入ったりした時に
交換する頻度で良いと思います!
競技スキーの場合ポールの近くを通りアタックする事から、なんだかんだ気を付けて使っていてもかなりの頻度で折れたり曲がったりします笑
また、SLストックの場合パンチガードが壊れた場合なども買い替えるタイミングの候補の一つですね!
※勿論パンチガードのみを新しく購入する方法もあり
まとめ:ストックを購入してアルペンスキーを始めよう!
いかがだったでしょうか?
最後に、内容をおさらいしていきましょう。
- レーシングストックはポールに当たっても壊れないように作られているストック
- アルミやカーボンなど材質によって様々なストックが存在する
- SLとGSなど競技に応じて別々のストックを使用する
- ストックの先端は刃物だと思って取り扱う
是非、ストックを購入してアルペンスキーを始めましょう!
コメント