競技スキー部/サークルに入ってみたけど、岩岳って何?
誰でも参加できるの? 何がそんなに面白いの?
参加方法とか開催時期とか何もわからない!
以上のような、お悩みを解決します
本記事の内容
- 全国学生岩岳スキー大会の概要
- 学生大会の参加方法
- 学生大会のレベル帯
- 学生大会のポイント制
- 学生大会の滑走順
全国学生岩岳スキー大会とは?
概要
全国学生岩岳スキー大会は1974年に始まった
国内屈指の規模と伝統を誇る学生大会です!
アルペン競技と基礎スキーのスキー大会が「白馬岩岳スノーフィールド」を舞台として繰り広げられます。
同一大学の学生で構成されたクラブ単位で参加出来る大会であり、個人成績だけでなくクラブ総合成績によっても競われます。
※SAJ公認大会ではありません
- アルペン競技の部 (スピード系/技術系)
- 基礎スキーの部
※ 第47回大会までは3つの部門が存在
開催時期/種目
全国学生岩岳スキー大会は毎年2月中旬から3月中旬にかけて開催されます!
第49回大会以降は、
・2月中旬:アルペン競技の部 スピード系種目
・2月下旬:基礎スキーの部
・3月中旬:アルペン競技の部 技術系種目
に開催されています。
第52回大会となる2025年では、以下のような日程で開催予定です。
競技部門 | 開催日 |
---|---|
アルペン競技の部 スピード系種目 (DH,SG) | 2月18日(火)~21日(金) |
アルペン競技の部 技術系種目 (SL,GS,新人戦) | 3月10日(月)~15日(土) |
基礎スキーの部 | 2月26日(水)~3月3日(月) |
公認大会では無いとはいえ、アルペンスキーの4種目を同一大会で開催している貴重なレースです!
例年スピード系種目は1本制(1本レース)で競われ、技術系種目は2本制(2本の合計タイム)で競われます!
またスピード系種目は、初心者やインカレ(2月末開催)に出場する選手は参加しない傾向があります。
僕はビビりなのでスピード系が苦手ですが、母数が少ない事から良い順位が取りやすい穴場の種目なのは間違いないです!
- 回転 (スラローム/SL)
- 大回転 (ジャイアントスラローム/GS)
- スーパー大回転 (スーパージャイアントスラローム/SG)
- 滑降 (ダウンヒル/DH)
旗門で構成されたコースを滑り降り、タイムを競うアルペンスキーですが種目によって旗門間隔が異なるので、使用する板も基本的に種目によって異なります。
しかし、岩岳学生大会では参加者を多く確保する為
各種目ごとの板の規定が存在しません。
従って、各種目毎に板(SL板、GS板、SG板、DH板)を持っていなくても全種目に参加する事が出来ます。
※公認大会ではない為、勿論規定板である必要はありません
SL板とGS板の2つだけで4種目参加する選手から、全種目異なる板を使用している選手も居ます!
僕はSL板、GS板、SG板(非規定板)の3種類の板で参加しています!
SG競技とDH競技には同じSG板で出場しています!
- 非公認大会
- 対象者:大学生
- 開催場所:長野県白馬岩岳スノーフィールド
- 開催種目:DH、SG、GS、SL、新人戦(GS)
学生大会の参加方法は?
岩岳学生大会は大会のエントリー時期が非常に早い事が特徴です。
毎年「出ようと思っていたのに登録期間が過ぎていた。。。」といった事例を見かけるので、参加希望者は早めに登録を行いましょう!
エントリーは主に二つのステップに分かれており、基本的にはクラブ代表者が全ての登録を行います。
- クラブ登録 (前年 10月)
- 競技エントリー (12月~2月)
① クラブ登録
クラブ登録は例年、大会開催前年の10月に行われます。
これを行わなかった時点で大会に出場出来なくなるので注意が必要です!
※第52回大会のクラブ登録期間は10月1日~10月31日
クラブ登録は例年WEB上(公式サイト)で行い団体としての登録だけでなく、クラブのメンバーで大会に出場する選手もこの時期に登録します。
補欠を含む出場予定の選手は全員この段階で登録しておく必要があります。
※クラブ登録に必要な選手の最低人数は2名
クラブ登録にかかる費用は1クラブあたり¥15,000であり、例年現金書留で登録期間中に大会事務局まで送る必要があります。
WEB上クラブ登録と送金の二つを合わせて登録完了となります。
また人数が多い場合、同じ団体に所属している選手でも複数のクラブに分散させる事が出来ます。
アルペンスキーの大会において重要となってくる滑走順を良くする為、少人数の団体でもあえて複数のクラブに選手を分散させる戦略も存在します。
例)
男子:○大学△クラブA、○大学△クラブB
女子:○大学△クラブ
総費用:¥45,000
※各クラブごとにクラブ登録/選手登録が必要となってきます
- 前年10月にクラブと出場する選手を登録
- 公式サイト経由で登録
- 同じ団体であっても複数のクラブ登録が可能 (男女別)
- 各クラブごとにクラブ登録/選手登録が必要
② 競技エントリー
競技エントリーは例年、12月~2月に行われます。
アルペン競技の場合は部門がスピード系と技術系の二つに分かれているので、それぞれの部門でエントリーの時期が定められています。
第52回大会の競技エントリー期間
・スピード系:12月16日~1月29日(開催は2月18日~)
・技術系:12月16日~2月20日(開催は3月10日~)
競技エントリーの詳細
・クラブ登録した各メンバーにおける各競技のエントリー
・宿泊予約 (例:大会開催期間にクラブで4人)
競技エントリーにかかる費用
・DH:¥6,000
・SG、GS、SL:¥5,000
・宿泊予約金:1名につき¥3,000
※DH競技ではトレーニングラン(模擬滑走)が競技前日に行われます
※宿泊料金は1泊2食付で¥7,500
各クラブごとに参加可能な最大人数は種目に応じて定まっており、クラブ登録したメンバーの中から「どの種目に誰がどの順番で滑走するか」をこの時点で決める必要があります。
※競技エントリーに必要な選手の最低人数は各クラブごとに2名
※補欠登録も可能
例)男子3名、女子2名それぞれ全種目参加する場合
総費用=5×¥21,000+5×¥3,000=¥120,000 (競技エントリー+宿泊予約金)
- それぞれの部門でエントリーが必要
- 各競技のエントリーと宿泊予約を行う
- どの種目に誰がクラブ内のどの順番で滑走するかを提出
学生大会のレベル帯は?
岩岳学生大会は基本的に
大学生であれば誰でも参加が可能です。
従って、その年にスキーを始めた初心者から国際スキー連盟主催のFISレースなどに参加しているエキスパートまで幅広い技術層の選手が集まります。
- 同一大学の学生で編成された団体に所属し、クラブ登録を行った選手
- インカレ1部校に所属しない選手
元々のコンセプトとしては初心者向けの大会だった事もあり、以前はインカレ2部校や全日本A級大会出場経験者(インカレ/国体など)も上級競技者として締め出していたようです。
しかし近年では、競技人口の減少によりこれらの出場制限が撤廃され、インカレ2部で入賞するような選手もポツポツ出場し始めた事により上位層のレベルは年々じわじわと高まっている印象です。
- インカレ2部校、3部校の選手 (体育会スキー部)
- インカレに所属していないスキー部の選手 (体育会スキー部)
- 各大学のスキー同好会、スキーサークル所属の選手 (サークル)
2022年度開催の第49回大会では、
総71クラブ(男子)の内訳は以下のようになっていました。(参考リンク)
・スキー部:40クラブ程度
・サークル/同好会:30クラブ程度
表彰対象である上位10クラブ(男子)の内訳は以下のようになっていました。
・スキー部:5クラブ
・サークル/同好会:5クラブ
以上の数字からもスキー部の選手とサークルの選手が良いバランスで混在している大会である事がわかります。
近年では特に1部校の大学に所属する学生で構成されたサークル/同好会が団体上位に位置するする印象です。
第49回大会では早稲田大学所属のクラブがなんと団体1位と2位を独占しました!
学生大会の得点及び表彰について
岩岳学生大会はクラブ単位での出場となる為
個人成績、団体成績の二つの成績が算出されます。
個人戦と団体戦を両方楽しめる大会なのが特徴的ですね!
・団体戦に焦点を置いているクラブ
・各個人が最良の結果を出す事に焦点を置いているクラブ
・個人成績と団体成績を共に取りに行っているクラブ
など様々な戦略が見られます!
① 個人戦
岩岳学生大会は合計5つの種目で構成されています。
- スピード系:DH
- スピード系:SG
- 技術系:GS
- 技術系:SL
- 技術系:新人戦GS種目 (1年生のみ参加可能)
近年ではスピード系種目は男子150人弱、女子75人弱が参加し、技術系種目では男子300人弱、女子150人弱が参加します。
各種目とも1位~100位までが得点対象であり、1位が101点、2位が99点と以下1点下がりで100位までの得点となります。
各個人で種目毎にポイントが加算され、団体戦にも影響してきます。
※新人戦は1位が51点、2位が50点と以下1点下がりで50位までの得点
各種目とも男子は1位~50位までが、個人シード対象となり来年度の滑走順に影響してきます。
※女子は1位~20位まで
そして最後に各種目とも1位~10位が個人としての表彰対象です。
1位~10位までに賞状が贈られ、
1位~3位までにメダルが与えられます。
個人個人で
・上位100人に入り、団体戦に貢献する事を目標とする選手
・上位50位(20位)に入り、来年度の滑走順をよくする事を目標とする選手
・上位10位に入り、入賞する事を目標とする選手
など様々な想いが存在します。
特に技術系種目(SL、GS)ではセカンドカットと言った2本目に進出できる人数制限(1本目上位120人まで)が存在します。
2本ちゃんと滑り切る為に、1本目でなんとしても上位120人に入りたいですね!
② 団体戦
1クラブから各競技にエントリー出来る人数は定まっています。
- DH:7人
- SG:7人
- GS:7人
- SL:6人
- 新人戦:無制限 (1年生のみ)
各種目で個人が獲得したポイントを加算し、団体としてのポイントが算出されます。
各クラブごとに総合ポイントで競い、
・1位~10位までのクラブ:賞状
・1位~3位までのクラブ:カップ
・1位のクラブ:優勝旗
が贈られます!
例) 7人チームの場合
ポイント計算表 | Aさん | Bさん | Cさん | Dさん | Eさん (1年生) | Fさん | Gさん (1年生) | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DH | 82 | 68 | 40 | 32 | 12 | 5 | 15 | 254 |
SG | 75 | 62 | 52 | 27 | 5 | 0 | 12 | 233 |
GS | 55 | 70 | 32 | 0 | 1 | 2 | 0 | 160 |
SL | 46 | 0 | 42 | 0 | 0 | 0 | – | 88 |
新人戦 | – | – | – | – | 30 | – | 35 | 65 |
総合ポイント | 258 | 200 | 166 | 59 | 48 | 7 | 62 | 800 |
この場合団体の総合ポイントは800 ptになりますね。
1年生のみが出場可能な新人戦種目では、初心者の選手でもポイントを比較的容易に取り易く団体に貢献する事が出来ます!
2022年度開催の第49回大会では、
・男子の優勝クラブ:1787 pt
・女子の優勝クラブ:975 pt
でした。
また、
・男子の10位のクラブ:697 pt
・女子の10位のクラブ:572 pt
という事もあり、
入賞するクラブ間でもかなりの差があります。
アルペンスキーという個人競技のスポーツで団体戦を経験出来るのが大学スキーの特徴ですね!
学生大会の滑走順について
アルペンスキーにおいて滑走順(BIB)は非常に重要ですよね!
特に柔らかい日本の雪では、滑走順が後になればなるほどバーンが荒れ不利になる事が多いです。
岩岳学生大会の滑走順は
基本的にクラブ内ランキングで決められます。
クラブ内の1走として提出した選手は、他のクラブの1走と共にドロー(抽選)されます。
そして全クラブの1走の後に2走、3走。。のような順番でドローされ、滑走順が振り分けられます。
しかし例外として、岩岳では
前年度大会のクラブ総合成績と個人成績によってシードが決定され、1走の前の滑走順が与えられます。
- 個人シード(特別シード)
- 団体シード
個人シード(特別シード)
前年度の各種目において
・男子:1位~50位
・女子:1位~20位
だった選手は個人シード選手として滑走する事が出来ます。
個人シード内での滑走順は前年度の成績順なので、前年度1位の選手は特別なゼッケンを着用し、1番に滑ります!
※該当選手が出場しない場合は2位の選手から繰り上がります
上位50位 (20位)以内に入り、来年度の滑走順を良くする事をモチベーションにする選手も多いですね!
団体シード
前年度の団体総合成績において
・1位~20位のクラブ
は1名をシード選手として出場(団体シード)させる事が出来ます。
こちらも滑走順は前年度の成績順(団体)なので、1つ前に滑る選手は、前年度1つ総合成績が上のクラブの選手ですね!
様々なケース
上記の滑走順やシードを基に、以下のような滑走グループが定められています。
・第1グループが個人シード
・第2グループが団体シード
・第3グループがシード外
となります!
前年度優秀な成績を納めた個人やクラブが滑走順で優遇されるという事です!
まとめ:学生レーサーの祭典「全国学生岩岳スキー大会」
いかがだったでしょうか?
最後に、内容をおさらいしていきましょう。
- 全国学生岩岳スキー大会は国内屈指の規模と伝統を誇る学生大会
- 学生大会は4種目+新人戦で構成される
- 学生大会に参加するにはクラブ登録と競技エントリーが必要
- 学生大会には個人戦と団体戦の側面がある
- 学生大会にはシード制度がある
是非、大学生の方は岩岳学生大会に参加して一緒にアルペンスキーを楽しみましょう!
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