競技スキーを始めてみたけど、B級大会って何?
どうやったら参加できるの? どの種目があるの?
レベル帯やポイント制など何もわからない!
以上のような、お悩みを解決します
本記事の内容
- SAJ公認B級大会の概要
- B級大会の参加方法
- B級大会のレベル帯
- B級大会のポイント制度
- B級大会の滑走順
SAJ公認B級大会とは?
大会の分類
アルペンスキーをある程度経験したら、自分の実力を知る為に大会に出てみたいですよね!
多くのレーサーは大会で好成績を残す事をモチベーションにしています!
若干の例外はありますが、アルペンスキーの大会は主に以下の二つに分類されます。
- 草レース
- 公認大会
草レースは初心者から気軽に参加する事が出来る大会です!
レース出場によってポイントが得られる事は基本的に無いので、一回限りのレースとも言えますね。
ナスターレースや都道府県連盟主催の大会はそれぞれ独自のナスターレースポイントや県連ポイントが付きますが、全日本スキー連盟公認のポイントでは無いので本記事では草レースとして扱っていきます。
※ポイントについては後ほど解説しています
一つの傾向として草レースは景品が豪華な事が多い事が挙げられます!
草レースの主催には、スキー場や各種スキーメーカーが協賛している事が多い事が理由の一つです。
極度にピリピリとした雰囲気も無く、比較的気楽に楽しむ事が出来る大会が多いですね!
僕も今までスキーケースやスキーバッグ、スキー板まで景品として獲得した事があります!
公認大会は本格的に選手活動を行っている人が参加する大会です!
レース出場によって公認ポイント(SAJポイントやFISポイント)が得られ、自分の実力が数値化されるレースです。
出場には公認団体に所属し、公認登録(SAJ競技者登録やFIS競技者登録)が必要です。
日本で行われる公認大会は主に以下の二つに分類されます。
- SAJ公認大会
- FIS公認大会 (FISレース)
SAJ公認大会は全日本スキー連盟の大会であり、「SAJポイント」と言った日本国内で意味があるポイントを獲得する事が出来ます。
FIS公認大会は国際スキー連盟の大会であり、「FISポイント」と言った世界中で通用するポイントを獲得する事が出来ます。
自身のFISポイントを更新していく事によって最終的にはワールドカップやオリンピックなどへの道が開かれます!
日本のFISレースでも韓国のオリンピック代表などが参加する事もあり、僕も一度会って話した事があります!
厳密には日本で開かれるFISレースは全てSAJが絡んでいるので、日本でFISレースに出場した際は「FISポイント」と共に「SAJポイント」も付与されます。
ここでは簡略化の為、SAJ公認大会はFISレースを含まないレース全般として扱っていきます。
SAJ公認大会の分類
SAJ公認大会は、全国大会などを含む「A級大会」と地区レベルの「B級大会」に分けられます。
しかし、B級大会と言えど全国各地から選手が出場する事が多いので、全国大会、地区大会と分類できる訳ではありません。
「A級大会」は予選があり出場が難しい公認大会、「B級大会」は比較的容易に出場できる公認大会と言ったイメージが正しいです。
- 全国中学校スキー大会 (全中)
- 全国高等学校スキー大会 (インハイ)
- 全国高等学校選抜スキー大会 (選抜)
- 全日本学生スキー選手権大会 (インカレ)
- 国民体育大会冬季大会スキー競技会 (国体)
- 関東スキー選手権
- 群馬県スキー選手権大会
- 岩手県スキー選手権大会
B級大会で良い成績を残したからと言ってA級大会に出場できる訳ではなく、各A級大会には都道府県の予選会など出場規定が設けられています。
また、B級大会には「関東」や「群馬県」など地区の名称が付いている事が多いですが、基本的に全国どの連盟に所属していても出場する事が出来ます。
また、選手の年代に応じてもカテゴリーが設けられています。
- ユースK1 (小学校5、6年生)
- ユースK2 (中学生、高校1年生早生まれ)
- 通常 (全年代)
- マスターズ (30歳以上)
例)
・ぬかびら源泉郷ユースSL大会 (ユースK1/K2 B級大会)
・全日本マスターズスキー選手権秋田たざわ湖大会 (マスターズ A級大会)
全国大会であるA級大会について話す時はその大会の名称を直接用いる事から、アルペンレーサーがSAJ公認大会について話す時はB級大会の事を指している事が多いです。
従って、ここではユースやマスターズ大会を除く「通常のSAJ公認B級大会」について解説していきます!
B級大会の参加方法は?
参加方法
B級大会は大会に応じて様々な参加資格がありますが、今回は最もメジャーな推薦出場について紹介します。
B級大会に出場するには高校生以上である必要があります。
※中学生は独自のB級大会(ユース K2)を持っていますが、大会によっては通常のB級大会にもエントリーが可能です
SAJ公認大会に出場する場合は所属先を決め、SAJ競技者登録をする必要があります。
高校生や大学生の場合はそれぞれの学校が高体連や学連に所属している場合があり、その場合各学校から登録する事が出来ます。
一方、学連に所属していない大学生や社会人は自分で公認団体を探し、公認団体に加入した上で競技者登録を依頼する必要があります。
※SAJ登録は毎年行う必要があります(例年オフシーズン中)
SAJ登録が完了し、出場したいB級大会を見つけたら、所属する団体の代表(高校部活の顧問など)に出場の意思を伝えます。
団体の代表、各都道府県連盟/学連の承認を経て、最終的に県連や学連が該当選手の推薦を行い、大会にエントリーします。
※通常このタイミングでエントリー代を団体代表/連盟に払込
※競争が激しい団体や連盟の場合、実力が劣っていると推薦されない場合があるので注意
各大会にはエントリー上限があるので、上限を超えてしまった場合エントリーカットされる可能性があります。
エントリーカットの基準は大会によって異なりますが、ポイントが高い選手(実力が劣っている選手)からカットされる傾向が強いです。
しかし、スキーヤーの減少からB級大会でエントリーカットされる事は珍しいというのが現状です。
用具の規定
公認大会に出場する場合、使用する用具に規定(レギュレーション)があります。
公認大会に出場する意思がある場合は、予め規定内の用具を購入する事を心がけましょう!
- スキー板 (SL、GS、SG)
- スキーブーツ
- ヘルメット
- レーシングスーツ (ワンピース)
B級大会のレベル帯は?
B級大会はSAJ競技者登録をした選手が、推薦を受けて始めて出場できる大会です。
初心者の中高生が部活動の一環として出場する事もありますが、基本的には上級者以上に向けた大会となっています。
また、FISレースを主戦場としているトップ選手でも稀にB級大会に参加する事があるので、B級大会の上位層は非常にレベルが高いです。
滑走順がSAJポイント順で決まる全国大会もあるので、自身の滑走順を良くするためにB級大会に出場している人も見かけますね!
また、B級大会は参加する年齢の幅も広い事も特徴の一つです。
カテゴリーがユースB級大会、普通のB級大会、マスターズのB級大会の3つしかないので、同じカテゴリーで高校生と社会人が出場する事になります!
その辺りが全中やインターハイなど年代別の大会とは異なりますね!
B級大会の表彰及びポイント制について
表彰
比較的レベルが高いB級大会ですが、そこを勝ち抜いたレース上位者は表彰されます。
上位何名までが表彰かはその大会によって異なりますが、基本的に男女別上位3名か上位6名な事が多いです!
基本的には自身のポイントを更新する為に出場する大会なので、順位にこだわらない人も居ますが、表彰状やメダルを貰えることはモチベーションにもなりますよね!
僕も先シーズン初めてB級大会でフリップ(1本目上位30人)に入って、嬉しかったです!表彰状も取ってみたいですね!
ポイント制
アルペンスキーでは
・各大会で使用するコースが同じではない
・雪質やポールセットが毎回異なる
事から同じコースで行われるレースであっても、毎回タイムが変動します。
従って、タイム自体で選手を評価する事は難しく
タイムから算出されたSAJポイント/FISポイントによって選手の実力を数値化します!
※B級大会ではSAJポイントが得られます
※ポイントが少ないほど実力がある選手
SAJポイントを算出するにあたって重要となるのは以下の二つの要素です。
- レースポイント
- ペナルティポイント
レースポイントは自身のタイムとそのレースを優勝した人のタイムを比較する事で算出されるポイントです!
種目にもよりますが、大体トップとのタイム差が1秒つく毎に7~10ポイント程度加算されます。
その大会で優勝した選手のレースポイントは0ですね!
ペナルティポイントは大会のレベルを表したポイントです!
全出場選手の持ちポイントから計算され、ポイントの小さい優秀な選手が多く出場すれば、その大会のペナルティポイントは小さな値となります。
ペナルティポイントは選手の順位に関わらず、全員に一律に加算されます。
その大会で得られるSAJポイントは
レースポイント+ペナルティポイントとなります!
その大会で優勝した選手はペナルティポイントがそのまま得られたSAJポイントになります。
「ポイントが小さい選手と同じレースに出場し、勝つかタイムを離されない」事が良いポイントを得るコツですね!
基本的には、シーズン中に獲得した上位2ポイント(最小値と2番目に最小)の平均が、その選手のSAJポイントとなります。
SAJポイントを更新し続ける事で
・滑走順を良くする
・推薦無しで公認大会に出場できる権利を手に入れる
などのメリットがあります。
B級大会の滑走順について
アルペンスキーにおいて滑走順(BIB)は非常に重要ですよね!
特に柔らかい日本の雪では、滑走順が後になればなるほどバーンが荒れ不利になる事が多いです。
多くのB級大会はSAJポイントに応じて滑走順が決定されます。
選手は自身が保持するSAJポイントに応じて以下の3グループに分類され、グループに応じて滑走順が振り分けられます。
- ①:シード
- ②:ポイント組
- ③:ポイント無し組
シードは通常その大会に出場する選手の中で、ポイントが低い上位15名の選手で構成されたグループです。
このグループでは、15人の中での抽選が行われ滑走順が振り分けられます。
シードに選ばれた時点でBIB1~15で滑れることが確定します!
ポイント組はシード外でポイントを持っている選手で構成されたグループです。
このグループでは、SAJポイントの順番で滑走順が振り分けられます。
シードにギリギリ選ばれなかった16番目の選手はBIB16で滑るという事ですね!
ポイント無し組はポイントを保持していない選手で構成されたグループです。
このグループでは、構成選手の中での抽選が行われ滑走順が振り分けられます。
初めてB級大会に出場する選手はここに入りますね!
上手い選手ほど状態の良いバーンで滑り、下位選手ほどボコボコのバーンからポイントを更新し、這い上がっていく必要がある下剋上システムが公認大会の特徴です!
SAJの大会に限らず、W杯を含むFISレースでもこのシステムが採用されています。
まとめ:B級大会で公認大会デビュー!
いかがだったでしょうか?
最後に、内容をおさらいしていきましょう。
- SAJ公認B級大会は全国各地の選手が出場する大会
- B級大会に参加するには公認団体に所属する必要がある
- B級大会には選手の実力を数値化するポイント制度がある
- B級大会の滑走順は選手のポイントで決定される
是非、高校生以上の方はB級大会に参加して一緒にアルペンスキーを楽しみましょう!
コメント